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5,940円(税込)
◆縮小絵巻物〈重文 百鬼夜行図〉◆
室町時代 大徳寺真珠庵蔵
絵巻物を繰り広げるにつれ、続々と現れる鬼や妖怪たち。個性あふれる表情や動きを見せながら、右から左へぐんぐん行進します。彼らの多くは日用品、楽器、武具、仏具などが化けた器物の妖怪のようです。これは、器物は百年たつと化身として精霊を得て、しばしば心をたぶらかすと考えられた「付喪神(つくもがみ)」と呼ばれるものをあらわしています。
「百鬼夜行」と称される絵巻物は数系統あり、江戸時代の写本が大量に残っています。その中で、大徳寺の塔頭真珠庵に伝来する本巻はもっとも古いといえるものです。成立の経緯は謎に包まれているものの、この真珠庵本の色鮮やかな妖怪たちによるリズミカルな場面展開はとても魅力的。最後には太陽とも尊勝陀羅尼(そんしょうだらに)という罪障消滅の呪文の炎ともいわれる巨大な赤い球体が暗闇から出現し、妖怪たちが引き返すことで、行進は妖しげな余韻を残して終わりを告げます。
室町時代の日本人のユーモラスな感性に出会える、絵巻物の傑作です。
サイズ | 紙幅11.5×長さ297cm |
仕様 | 裂表紙巻子仕立 和英解説書入 化粧箱納 |
印刷方法 | オフセット |