◆HARIBAN AWARD 公式カタログ 2019◆
限定150部
便利堂が主催する国際コロタイプ写真コンペティションは、180年の歴史を持つアナログ写真技術と、現代写真のアート性を繋ぐ取り組みです。
「玻璃(はり)」とは古い日本語でガラスを意味し、コロタイプがガラス板を版に用いることから、玻璃版(はりばん)と呼ばれて親しまれていました。
その名前に由来するこのアワードは、プロ・アマチュアを問わず、白黒写真を用いて制作をするすべての写真家・作家に開かれています。
写真分野で世界的に活躍する審査員による厳選な審査ののち、受賞者が選出されます。最優秀賞を受賞した作家は、京都のコロタイプ工房に招聘され、熟練の職人と共に受賞作品のコロタイププリントを制作します。
6度目の開催を迎えた2019年は、433件の応募がありました。力作揃いの作品群の中から、見事に選ばれたのは、オランダ・アムステルダムを拠点に活動する写真家マーガレット・ランシンク(Margaret Lansink)さんです。
2019年12月に京都にお越しいただき、2週間の滞在期間中は便利堂のコロタイプ職人と意見を交わしながら、受賞作のコロタイプ作品制作をお楽しみいただきました。
2020年9月26日~10月7日には京都市内四条烏丸付近にあります野口家住宅花洛庵を会場にお借りし、個展を開催いたしました。京都市指定有形文化財にも指定されており、独特の趣を持つ家屋に佇む作品からは、作家が主題とする人と人との絆や関係性を改めて認識する良い展覧会になりました。
さて、こちらの公式カタログには最優秀賞の他にも、審査員特別賞、工房賞、奨励賞を獲得した入賞作品が収められております。本文はすべてコロタイプで印刷のうえ、手製本の和綴じにて仕上げられています。さらには、今年の受賞作にちなんで金薪を施したページも含まれています。是非お手にとってご覧ください。
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○コロタイプとは○
一般的な印刷方法であるオフセット印刷では色や濃淡を小さな網点の密度で表現しますが、コロタイプでは連続階調で表現するため、写真のようにより本物に近い緻密なディテールで表現することができます。
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出版 |
2020年 |
サイズ |
21.0×13.0cm |
写真家 |
写真家 マーガレット・ランシンク 他12名 |
エディション |
150部 |
用紙 |
手漉き和紙(雁皮・三椏) |
印刷方法 |
玻璃版(コロタイプ単色刷) |
装幀 |
和綴(わとじ) |
ページ数 |
64 |
解説 |
アンマリー・ゼゾフ & マーティン・ファン・ピーターソン(Annemarie Zethof & Martijn vanPieterson)
姫野希美(Kimi Himeno)
石井孝之(Takayuki Ishii)
ミリアム・クーイマン(Mirjam Kooiman) |
サイン |
版元による記番 |
マーガレット・ランシンク(Margaret Lansink)
HARIBAN AWARD 2019年最優秀賞受賞者
マーガレット・ランシンクは、アムステルダムを拠点に活動をしている写真家。 ランシンクはアムステルダムのPhotoAcademyで学士号を取得し、パリのLeMasterklassでも1年間学び、2019年にSmedsby Atelier Parisに参加している。彼女の作品はこれまでアムステルダム、ロッテルダム、ライデン、デンヘルダー、アントワープ、アルル、イギリス、ニューヨーク、バンクーバー、日本、トビリシ、カウナス、バルセロナ等で展示されている。